BIMで建築が夢をみる

#71 日本建築士事務所協会連合会の「BIM活用実態調査」

日本建築士事務所協会連合会(日事連)では、「建築士事務所のBIMとIT活用実態にかかわる調査」の結果を公表しました。この調査は日事連の会員事務所を対象に3月20日〜5月17日にかけて行なったもので、回答者の総数は955、事務所形態の内訳は総合設計事務所38.7%、専門設計事務所32.9%、施工会社設計部(工務店含む)28.4%となっています。
※日本建築士事務所協会連合会のホームページ(PDFでダウンロード可)
http://www.njr.or.jp/pdf/BIM_report_web.pdf

BIM応援団として強い危機感を感じる「導入予定」が5.9%

日事連では、建築士事務所全体としてはBIMの普及は進んでいないとの厳しい現状認識から本調査を行ったとしています。調査では、「開設者あるいは管理建築士が現状をどう捉えているかを把握すると共に、すでにBIMを活用している建築士事務所が何を利点と捉えて運用し、何を阻害要因と認識しているかを把握する調査を実施することによって、今後の建築業界におけるBIMの普及・促進に向けた支援活動に活かすための資料とすることを目的とする」としています。

その結果、「BIM導入状況について」では、「導入済みで活用中」17.1%+「導入済みだが未活用」12.9%で合わせて30.0%となっていました。

導入予定に関しては、「導入予定なし・未定」が26.5%となっており、未だに約1/4の事務所が導入予定を持たないのは驚きでもあります。一方で、それと比較して「導入していないが興味がある」37.7%とあり、少しは安心もできますが、「導入予定」が5.9%と少ないのには危機感を感じます。

発注者対応で効果+設計実務の負担軽減にもメリット大

BIM導入を積極的に進めるためのヒントとなる回答もありました。それは「お客様の要望」「体験版で作成した画像でお客様の反応が良かったから」というもので、明らかに発注者の声や反応を見て導入したという回答となっています。本稿でも何度か提示しましたが、BIMは最終的には「発注者のためのもの」との本質からすると当然であるといえます。

「BIM を導入・適用したことによる効果」についても、かなり明らかになっています。「効果があった」は56.9%もあり、「効果は実感しているが具体的にはわからない」31.3%と高い比率となっています。

「効果があった」との回答の中で目立ったのが「設計段階でのお施主様の完成イメージ度が格段に上がった」「仕事に繋がりやすくなった」「プレゼン力が上がった」と発注者を意識したものでした。

設計実務に関しては、「一つ修正すれば建物図全てに連動するので修正し忘れのミスが減少する」「作図の大幅な時間短縮が図ることができる」に見られるように、修正対応のスピードの速さにより負担軽減に繋がったとの具体的な回答がありました。また「若手はBIMの経験、ベテランは建築の知識があり、若手とベテランのマッチングで効率的な働き方が可能」とのポジティブな意見もありました。

これからのBIM導入に向けた取り組みについては、国や自治体からの「導入や教育に対する補助金の支給」が 64.4%で最も高く、BIMソフト導入時の負担が重くのしかかるなどリアルな現状も述べられています。より一層のBIM普及が求められる現在、公的な支援は勿論のこと、BIMソフトベンダーも革新的な価格政策を提案する時期に来ていると考えられます。

専門設計事務所と回答された建築士事務所にお聞きします。
貴建築士事務所の業務範囲について、あてはまるものを選択してください(複数回答可)

どのような状況になればBIMを導入しようと思いますか(複数回答可)

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