BIMで建築が夢をみる

#65 官民をあげてBIM普及への動きが急を告げている

BIMの普及に向けて、官民をあげての活動が急を告げています。物事では、後から考えると、あの時に潮目が変わったと思えることがあります。ここ一連の動きは、しっかりと注視し、追跡していきましょう。

空調衛生工事業者も声を上げる

日本空調衛生工事業協会では、7月17日にBIMの普及・推進に向けて協会内に「BIM推進部会(仮称)」を新たに設けると発表しました。空調衛生分野での3次元CAD運用、BIM連携を現業で先駆的に進めてきた関係者に聴くと「ようやく業界をあげてBIM化に本気になった」と今後の進展に期待を述べています。

協会では、「BIM推進部会(仮称)」を経営活性化委員会内に設置することを次回開催予定の委員会会合で正式決定します。背景には18年3月に協会が策定した「働き方改革の推進に関する行動計画」があります。協会では政府が策定した「働き方改革実行計画」の実施に向けて行動計画の中で「フロントローディングやBIMの活用により(中略)生産からメンテナンスまでの様々な精度向上に努めていくとのこと。またICT、IoT機器の導入や技術開発に努め、施工における省力化や生産効率の向上を進めていく」としています。

意匠、構造、設備、積算分野の設計組織が共同

東京都建築士事務所協会では、7月25日、東京構造設計事務所協会、東京都設備設計事務所協会、日本建築積算事務所協会関東支部と連携し共同で、「東京建築設計関連事務所協会協議会」(TARC:通称ターク)を立ち上げると公式サイト上で公表しました。TARCはTokyo Architectural Design Relation Firms Association Councilの略です。

TARCでは、建築設計関連事務所の業務全般に係わる諸課題について協議し、業務の円滑化を図り、建築設計分野の発展に寄与することを目的とし、人材不足や後継者問題、BIMへの対応など分野を横断して議論し、課題解決に繋げるとしています。

意匠、構造、設備、積算と専門分野を横断的に網羅した設計関連団体がBIMへの対応を積極的に進めると公表した意味は大きいです。

BIMを活用する将来像と工程表の方向性について

国土交通省の動きもさらに急を告げています。「建築BIM推進会議」の第二回目会合も、第一回目から間髪をいれず7月23日の第二回目が開催されました。第二回目の会合においては、建築生産・維持管理にBIMを活用する将来像と工程表の方向性のたたき台が整理され、提示されました。

将来像については、「高品質・高精度な建築生産・維持管理の実現」「高効率なライフサイクルの実現」「社会資産としての建築物の価値の拡大」の3本柱で整理しています。

注目できるのは、「社会資産としての建築物の価値の拡大」で、ここでリアルな建築物だけでなく、デジタルデータにも価値があると明示していることです。これらの将来像を実現するために建築業界において必須となる取り組みを7つに区分し、それら個々に部会を設置、本年度下期から個別課題の検討に入ります。

第三回目の会合は時をおかず、8月末または9月上旬に開催する予定としており、そこでは将来像で示した活用シーンが工程表の何によって実現可能なのかといった将来像と工程表の関係などを精査した上で、7つの部会で個別課題の検討に入ります。

第二回建築BIM推進会議「建築BIMの将来像と工程表(たたき台)」から

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