BIMで建築が夢をみる

#61 設計施工のためのBIMモデルがAPIで竣工後の建物に活かされる

第54回「スマートビルをビジネスにする」でソフトバンクが本社移転し、その際にはテナントには、さまざまなシステムを連携する※1) API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)が提供されると紹介しました。このニュースを知った直後に、Facebookの友人からある企業のことを知らされました。フランス発のスタートアップ企業でWorkwellといいます。この会社はAPIでの連携のもっと先を行っています。Workwellのサービスを探ると共に、昨今、注目が集まっているAPI Economyについて報告します。

建物で日々の活動を支援するオールインワン・アプリケーションをワンストップで提供する

Workwellでは、APIを介して利便性を提供するとのコンセプトの更に先を行き、ある建物に入居し、関わりを持つ近隣住民、スタートアップ企業、コミュニティー、組織、コワーキングスペース、住居、企業などのユーザーに対して日々の活動を支援するオールインワン・アプリケーション(モバイルイントラネット)をワンストップで提供というものです。

Workwellのアプリが導入されたビルに入居したとしましょう。昼食時にはレストランを予約し配達サービスも使えるでしょう。外出時にはライドシェアの相手を見つけられるし、来客時にはフロアマップを参照しながら共用の会議室を予約できます。ユーザー同士による開かれたコミュニティーも構築できます。これら全てがモバイルアプリとして提供されているので手元のスマホで目的が完結します。

来日中の共同創業者のポール・デュプイ(Paul Dupuy)氏と面談し、BIMとの連携の可能性も確認しました。設計施工時のBIMモデルは、これによって、まさにダイナミックに稼働する建物とコラボレーションできます。悔しいのは、このような革新的な動きが、建築の内部から、何故、生まれなかったのかということです。

参照※1)API: Application Programing Interface: あるソフトウェアの機能や管理するデータなどを外部の他のソフトウェアから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約。

Workwellのチーム(2019年3月日本支社開設)

BIMモデルとAPI Economyとの連携によって新たなサービスを生み出す

APIを用いることで成立する一種の経済圏をAPI Economyと呼びます。具体的には、インターネットで提供されるサービスから別のサービス(機能)を呼び出して利用することをいいます。株式上場などで話題を集めている配車サービスのUberでは、配車のリクエストができるようになるボタン「Uber API」を広く公開しています。例えばある会社のサービス(ホームページ)にUber APIを搭載すると、ユーザーは、行き先の指定もなくボタンひとつでタクシーを呼ぶことができます。

Uberは、APIを公開することで利用機会を逃さず、APIを利用する他の組織もUberのサービスを簡単に利用でき、自社でシステムを開発する手間が省けます。このようにAPIを用いることでユーザー双方向の繋がりがさらに利便性を向上させ、自らのサービスも高度化できるわけです。

今後は、設計施工時のBIMモデルが稼働する建物と連携して利便性を高めると共に、これらAPI Economyとの連携によって新たなサービスを生み出すでしょう。全ては組織の壁も、国境さえも超えていくデジタルの為せる技です。

API Economyのイメージ図(出典:@IT)

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