BIMで建築が夢をみる

#60 製造業の代表格の自動車産業の激変と建築のデジタル化

前回、建設業だけがデジタリゼーションによる変革から逃れることはできないとして、前田建設工業と安藤ハザマが「脱下請け」を目指し、新しいビジネス・サービスを共創するとのチャレンジを報告しました。今回は、激変する自動車産業と建築のデジタル化の動向を報告します。

電気自動車(Electric Vehicle)と親和性の高いインターネット接続する自動車=Connected Car

独では30年、仏と英国では40年までにディーゼル・ガソリン自動車禁止の方針を打ち出しました。これまでのディーゼル・ガソリンと比較すると、電気自動車(Electric Vehicle)の部品は半分程度で済むそうです。複雑な内燃機関を設計し、製造する必要もないので、EVへの参入は容易で、あっというまにEV大国になった中国では、数十社のEVメーカーがあるそうです。その中国では、国を挙げてEV化を進めるために、新設の自動車メーカーは全てEVとするとの法律も作っています。その中国、上海で4月16日〜25日まで開催の上海モーターショーではトヨタ自動車もハイブリッド車の優位性をかなぐり捨ててEV車を初出品しました。営々と築いてきたケイレツはどうなるのでしょうか。

ご覧になった方もあると思いますが、「ハイ、メルセデス」と対話する対話型車載AI「MBUX」搭載車のテレビCMも放映中です。インターネット接続する自動車=Connected Carというコンセプトです。目指すべきスマートシティーではConnected Carは建物と通信して駐・配車などを最適化しますし、建物の側もIoT(Internet of Things)と同期してダイナミックに稼働します。BIMをシンボルとする建設業のデジタル化もConnected Building+IoB(Internet of Buildings)へと拡張していきます。

ガラスインターフェース

実現したConnected Car+Connected Building

そのメルセデス・ベンツは、竹中工務店と協働してモビリティとリビングの未来の形を具現化した体験施設「EQ House」を約2年間の期間限定で六本木にオープンしました。EQ モデルを展示する他、さまざまなコラボレーションイベントやコンテンツを通じてモビリティとリビングの未来形を実際に体験できます。その施設ではAI を搭載して人とダイレクトに繋がることを可能にしていますし、デジタル情報を活用した最先端の設計・生産技術(デジタル・デザインビルド: Digital Design-Build)を採用しています。

「EQ House」はAI を搭載した近未来の建築で自ら学び、成長していきます。建物中央に設置した透明なガラスインターフェースには情報が浮かび上がり、人の手の動きや声により照明や空調などの室内環境をコントロールします。これら一連のサービスは竹中工務店が開発したビルコミュニケーションシステムにより実現したもので、人と環境の双方に対してダイレクトに繋がる建築は、自然の一部のようにも見え、建築に命が宿っているかのように感じられます。

1,200枚に及ぶ外観パネルは1年365日の全ての日照パターンをシミュレーションした結果に基づき最適な形状と配置を決定します。各パネルは個別の ID で管理され、スマートグラスなどのウェアラブルデバイスを通してタイムリーに設置場所などの必要な情報を提供し建築現場での作業も支援しています。まさに、インターネット接続する自動車+建築=Connected Car+Connected Buildingが実現しています。

日照パターンのシミュレーション

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