BIMで建築が夢をみる

#59 「建設業の枠にとらわれることなく」「新しい事業ドメイン追求」

建設業だけがデジタリゼーションによる変革から逃れることはできません。BIMをひとつのシンボルとして、建設業に何が起こっているのかも合わせて、この連載で報告してきました。そして建設業という既存の産業にICTを挿入、撹拌して、新しい事業ドメインを創出するとも述べてきました。そんな新しい動きがゼネコンの中にも生まれ始めています。

Mother of innovationを志向する新技術研究所を開設

前田建設工業が取手市に開設した新技術研究所「ICIラボ」に行ってきました。すでにオープンイノベーションの実践と社会実装の場として本格始動しています。ラボ内に入ると、実務優先で、一種、質実剛健な、これまでの建設会社のオフィスには思えない風景でした。今、流行のシェアオフィス、そしてIT系のスタートアップ企業のような雰囲気でした。

巨大な風洞実験装置などハードウェアも勢揃いしていますが、それよりも注目すべきは、従来の技術研究所とは異なり、前田建設工業が資金面も含めてベンチャー企業を支援、また大学の支援を受けながら前田建設工業の研究者と協創する場としていることです。すでにいくつかのベンチャー企業と共創した成果なども展示されています。

前田建設工業は、2019年に、創業100年を迎えます。次の100年に向けて、次なる新しい挑戦を始めると広く宣言しています。具体的には、エンジニアリング力と新たな建設サービスを融合した「総合インフラサービス企業」を目指すとしています。

本稿で繰り返し主張してきた、新しい事業ドメインを創出するとの動きと、同期するものと考えられます。そしてその中心には、BIMをひとつのシンボルとしたデジタリゼーションによる建設業の変革が想定されているに違いありません。

ICIラボ」の全景(前田建設工業ニュースリリースより)

新しいビジネス・サービスを共創するアクセラレータープログラム

安藤ハザマも、上記のような動きとも軌を一にするように、スタートアップ企業と新しいビジネス、サービスを共創するアクセラレータープログラム「安藤ハザマ アクセラレーター 2019」を始動しました。これは「イノベーションによる成長の実現」を基本方針とする中期経営計画(2019.3期~2021.3期)推進の一環として推進されるものです。

安藤ハザマは建築に強みを持つ安藤建設と土木に定評のあるハザマが2013年4月に合併して誕生しました。そのようにして培ってきたものづくりの技術とスタートアップ企業との革新的な技術や斬新なアイデアを融合、これまでの建設業の枠にとらわれることなく、建物などのハード面はもとより、人々の暮らしに寄り添うソフト面でも新たな価値を創造し豊かな未来を実現するとしています。

このプログラムはCreww(本社:東京都目黒区)と共同で企画・運営し、新たな価値の創造に資するパートナーを幅広く募集するため専用Webサイトも開設しています。

実証実験場所として提供される研究施設(安藤ハザマのアクセラレーター 2019サイトより)

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