BIMで建築が夢をみる

#57 現場をIoTなどでもっとデジタル化する

自動車産業などが代表する製造業と比較して、建築はデジタル化が遅れているといわれています。そのことがまた製造業と比較して、建築の生産性が低い要因だともいわれています。建築では、ほとんどが一品生産であり、生産=製造の現場も終われば跡形もなく消えるというユニークな産業形態でもあります。そのような特性を前提として、今ある建築の生産現場をIoTなどを用いて見える化し、デジタルで管理運用する仕組みを鹿島が発表ました。

「鹿島スマート生産ビジョン」の実現に向けて資機材情報をデジタル化

鹿島では、既存の識別タグを活用してあらゆる資機材の現場への出入りを把握する在庫管理システム「KENLOGI」(ケンロジ)と、資機材の現場内での位置情報や稼働状況をリアルタイムに把握するシステム「K-Field」(ケイ・フィールド)を開発しました。これによってクレーンなどの大型機器から脚立一本に至るまで多種多様な資材、機材の管理が容易になります。

建築現場では、従来、高所作業車やフォークリフト、立馬と呼ばれる脚立など数多くの資機材が活用されています。現場内で資機材の在庫管理を行うためには、現場独自の二次元コードを活用して台帳を整備するなどしていますが、いぜんとして手作業に依存する部分が大きく、大きな労力を要していました。また資機材がいま、どこにあるかを把握するには、作業の進捗に伴ってその位置も刻々と変わっていくことから、正確かつリアルタイムな把握は困難なのが実情です。

「KENLOGI」と「K-Field」を併せて活用することで、建築現場に数多く存在する高所作業車など様々な資機材の在庫管理を、従来の人手による管理から飛躍的に効率化するとともに、位置情報や稼働状況をマップ上でリアルタイムに「見える化」することで、生産性の向上を図ります。

資機材在庫管理システム「KENLOGI」

これまでも建築に関わるレンタル・リース会社では、自社の資機材を管理するために二次元コードやRFIDなどの識別タグを活用していました。KENLOGIは各社毎に異なる資機材コードと鹿島の資機材リストとを紐付けることで、既存のタグをそのまま利用することを可能にしています。

資機材の管理担当者は、PCやタブレット端末などのスマートデバイスからKENLOGIを活用し、現場内の在庫管理だけでなく高所作業車の貸出管理、資機材の揚重申請などが行え、従来の台帳管理に比べ、資機材の運用効率が飛躍的に向上します。

二次元コードの読み取り

リアルタイム位置情報システム「K-Field」

現場では進捗に従って屋内作業が中心となるため、モノの位置情報を得るために一般的に用いられるGNSS(グローバル衛星測位システム)の活用には困難が伴います。K-Fieldでは、管理したい資機材の一つ一つに小型で安価な「ビーコン」と呼ばれる発信機を取り付け、現場内の各層に必要数設置したゲートウェイ(受信機)との信号のやり取りにより、それぞれの位置を正確に把握します。把握した位置データは現場内に構築されたWi-Fiネットワーク網を通じてクラウド上に伝送され、現場全域にわたる資機材の位置が、現場事務所などのPC画面で、マップ上に「見える化」されます。

また現場外のモノに対してGNSS発信器を取り付けることにより、工事関係車両の運行状況などをリアルタイムにマップ上に表示することも可能になるなど、現場敷地外の位置把握にも活用できます。

「K-Field」の概念図

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