BIMで建築が夢をみる

#53 情報ネットワークをデザインするという考え方

読者の中にも、アマゾンなどのAIスピーカーをご自宅に導入して楽しんでいる方々もあるのではないでしょうか。一、二年ほど前にIoT(Internet of Things)=モノのインターネットという言葉を聞いてから、あっという間に、さまざまな分野に、私たちの日常生活の中にもIoTが浸透し始めています。建築とIoTとの関わりから、今、何が起こっており、それにどのように対応すればよいのかを考えてみましょう。

実現しつつある自宅をスマート化する試み

前回の積水ハウスの動きに引き続き、給湯機器メーカーのノーリツが年明け早々に、浴槽へのお湯はり・追いだき・床暖房に加え、浴槽の自動洗浄を音声でできる新システムを発表しました。

システム構成図にあるように、無線LAN対応の給湯器リモコン「RC-G001EW」が専用の「わかすアプリ」とも接続しつつ音声サービスAlexa(アレクサ)に対応することで、「Amazon Echoシリーズ」を始めとするAlexa搭載のデバイスを通して音声操作が可能になるというものです。

ノーリツのシステムバスに標準搭載の浴槽自動洗浄機能「おそうじ浴槽」を音声で操作できる点も独自です。専用アプリの「わかすアプリ」が3月1日以降にアップデートされるので、このアプリを介して初期設定を行います。

システム構成図 (提供:ノーリツ)

#12の『シンガポールの「スマート・ネーション構想」を俯瞰してみる』を思い出してください。国土を丸ごと3次元データベース化する「バーチャル・シンガポール(Virtual Singapore)」計画の一環として進められているものです。そこで紹介した「スマート・ネーション構想(Singapore’s ‘Smart Nation’)」のサイトにも、家庭の生活環境をIoTでスマート化する事例が出ています。今回のノーリツの新製品は、そんな革新的な試みを、もっと手頃に、日常の中で実現しようとする試みだといえます。

求められるに違いない「情報通信設計事務所」というノウハウ

自宅や事務所を簡単にスマート化する機器も続々登場しています。スマホで遠隔操作し、なんと既存のスイッチをオンオフするスイッチボットという機器があります。もう少し格好良くした場合には、スマート家電コントローラRS-WFIREX3というのもあります。

このような動きが顕著となると、住宅の設計をする際に、これらIoT=スマート機器の導入を計画することも当然のこととなるでしょう。専門業者も登場することでしょう。一方で、専門業者がいたとしても、彼らは住宅の設計をする建築の専門家ではありません。

住宅を設計する建築の専門家として、それらIoT=スマート機器への知識を基に、IoT=スマート機器による「情報ネットワーク」をデザインするノウハウが求められるでしょう。住宅のスマート化と共に、これからは設計事務所や建設会社には、「情報通信設計事務所」のような能力が求められるに違いありません。

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