BIMで建築が夢をみる

#40 課題が明らかとなったことで次への解決策も視野に入ってきた

すでに多くの方々が、日本建設業連合会(日建連)が刊行した「施工BIMのスタイル事例集2018」を手に取られたのではないでしょうか。まだの方は、日建連のホームページから無償でダウンロードできますので、入手してみてください。

今回は、7月20日に開催された「施工BIM事例発表会2018」からの報告です。「施工BIM事例発表会2018」では、「施工BIMのスタイル事例集2018」に掲載の複数のゼネコンが登壇して施工BIMの現状を報告しました。

求められるのはBIMモデルでの合意形成のルール作りと承認方法の確立

前回、報告したように、2次元図面を上回る3次元BIMモデルの優位性が明らかとなりました。具体的には、3次元BIMモデルによる干渉チェックなどを通して、関係者間の合意形成の質が向上し、時間短縮も実現したとされました。

同時に明らかとなったのは、それらの合意形成をどのように行うのかという課題です。現状では、3次元モデルが正しく寸法通りに作成されているとの暗黙の了解を前提として目視で合意形成しています。勿論、3次元BIMモデルから必要に応じて図面を生成し、寸法などを確認すればよいのですが、それでは手戻りも発生するので、3次元BIMモデルによる合意形成の、より実践的なルール作りと承認方法の確立が必要だとされました。

設計BIMモデルと施工BIMモデルとの受け渡しルール作りも必須

施工BIMの現状を発表したゼネコンの多くは共に、設計施工の案件を基に、成果と課題を公表しました。設計施工案件の場合、現場作業所において設計BIMと施工BIMが混在するかのように運用されるので、他社設計の際に起こるような、設計BIMから施工BIMへのモデル継承の齟齬は起こりません。

一方で、現場で使える施工BIMとするためには、設計事務所から提供された設計BIMモデルでは事足りず、新たに施工BIMモデルを構築し直したとの報告もありました。これらの課題は以前から明らかにされていましたが、モデル受け渡し時の、より緻密なLOD=モデル詳細度などのルール作りの必要性が挙げられました。

施工計画をBIMモデルでシミュレーションする効果が大きい

施工対象の建物の施工BIMモデルの作成はすでに当たり前となり、施工方法のシミュレーションに効果大との報告が数多くありました。施工の時間経過と同期するように仮設資材をいかにして運用していくのかに始まり、資材の仮置場の設営と運用、クレーンなど建設機械の稼働可能範囲の確認などに至るまで、施工対象建物のBIMモデル作成だけでなく、施工の進行自体を3次元モデルで確認しようとする動きです。

建設業の施工現場は、対象建物が一品生産で、建物が完成すれば撤退するなど一時的であり、製造業の生産現場(工場)とは決定的に異なる運用実態を有します。それにも関わらず、多くのゼネコンが施工BIMを運用し始めている背景には、施工計画をBIMモデルでシミュレーションするための環境整備が急速に進んでいるからでしょう。

◇出典:日本建設業連合会公式サイト「刊行物・資料」
 施工BIMのスタイル 事例集2018(PDFファイル)

活用目的別の実施割合の変化

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