BIMで建築が夢をみる

#37 BIMの建物3次元モデルをVRによる圧倒的な「没入感」へと繋げる

建設業界でも映像表現やゲーム分野で馴染み深いVR・AR・MR技術の利活用が現実のものとなりつつあります。VR・AR・MR技術はそれぞれに近似性をもちながら独自の進化を遂げてきました。それらの特徴と適用範囲を検証してみましょう。

VR・AR・MRの特徴と適用範囲

VR(Virtual Reality):仮想現実

仮想現実=映像の世界に実際に入り込んだかのような体験ができる技術です。VR用のゴーグル(ヘッドマウントディスプレイ)を装着してコンピュータグラフィックスや360度カメラなどで撮影された全周囲映像世界の中に入り込むことができます。その際には、映像世界の中に自分が存在しているような感覚を味わうことができます。

VR体験を可能とするバーチャル空間体感システム「GLOOBE VR」では、BIMソフト「GLOOBE」による3次元建物モデルを利活用しています。

AR(Augmented Reality): 拡張現実

現実世界と仮想世界を重ねて拡張する技術です。コンピュータグラフィックスによる3次元映像やキャラクターなどを現実の風景と重ねて投影することで、現実世界にコンピュータグラフィックスのキャラクターなどが現れたような体験ができます。

スマホアプリの「ポケモンGO」や自撮りの顔に動物の耳や鼻などを重ねて合成するカメラアプリ「スノーSNOW」が代表例です。建設業界ではヘッドマウントディスプレイを使って点検作業に用いるなどの事例が知られています。

MR(Mixed Reality) : 複合現実

仮想世界と現実世界を融合させる技術です。仮想世界と現実世界が相互にリアルタイムで影響し合う世界を実現するため複合現実と呼ばれています。

MRを実現する製品として普及が進むのがマイクロソフトの「HoloLens(ホロレンズ)」です。透明なレンズを搭載したゴーグルで、3次元ホログラムを現実世界と融合させて表示できます。建設現場の墨出し、鉄骨製作時の罫書き、トンネルなどインフラ設備の点検などへの利用が進んでいます。

キーワードの圧倒的な「没入感」からVR(Virtual Reality)技術を検証

VR技術を語る時、五感を刺激するような感覚を得られることから、圧倒的な「没入感」などとして表現されます。「没入感」は「immersive」の日本語訳なのですが、よく知られるランダムハウス英和大辞典でも見当たりません。これもまた米国IT業界が造った言葉なのです。強いていうならば、液体などに「浸す」+「夢中」にさせる+「没頭」させる意味もあるimmerseが語源と考えられます。バーチャル空間体感システム「GLOOBE VR」を例として「没入感」のあり様を検証します。

BIMソフト「GLOOBE」による建物3次元モデルは、ディスプレイ内では3次元モデルとして挙動しますが、ディスプレイで視認する際には、実は2次元の映像となります。「建物3次元モデルを創ったのだから、その中に潜り込みたい」。そんな思いを可能とするのがVR用のゴーグル(ヘッドマウントディスプレイ)+バーチャル空間体感システム「GLOOBE VR」です。

一方で、建物3次元モデル内に入り込んだだけでは圧倒的な「没入感」は味わえません。「GLOOBE VR」には五感を刺激する仕組みが組み込まれています。

建物3次元モデルの「高さ」のデータは、「高さの感覚」へと変容され、「怖さ」さえも感じられるようになります。両手で操作するコントローラーでは、バイブレーションで対象物への形状把握ができます。これによって視覚と共に、一種の触覚も味わえます。動く対象にも追随可能で、ドアや窓などの開閉も行えます。

参照:「ARCHITREND VR」紹介動画

このような圧倒的な「没入感」によって、バーチャル空間体感システム「GLOOBE VR」は設計者の感覚を拡張すると共に、建物のユーザーである建築主への圧倒的な「見える化」に貢献します。

バーチャル空間体感システム「GLOOBE VR」

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