BIMで建築が夢をみる

#25 ユーザービリティ=建築的とは何なのか

BIMソフト「GLOOBE」の「ユーザービリティ・テスト」の実際を語る前に、BIMなどのソフトウェアにとってユーザービリティ=建築的とは何なのかを考えてみましょう。よりよいBIMソフトを実現するためには、いかに建築的なニーズを満足しているのかがキーポイントとなるからです。

アプリケーション・ソフトとして2次元CADが登場する以前に、ある建築設計事務所の主宰者が自らのために開発した2次元CAD「クリーム」というソフトがあったのを知っている方はほとんどいないでしょう。機械系、製造系の2次元CADが普及し始めた頃に登場した「クリーム」を初めて見た時に、すぐに気づいたのは、とても建築的だということでした。

まず最初に気づいたのは「通り芯」をもっていることでした。建築の製図では、「通り芯」を重要な基準線として設定し、その「通り芯」との関係で柱、梁、壁などの部材を配置していきます。建築の専門家にとっては、当然のことですが、機械系、製造系の2次元CADには、この「通り芯」はありませんでした。

設計対象、製造対象の「物体」には付属しない、実データではない「通り芯」が何故、必要なのか。機械系、製造系の2次元CADのベンダーと顔を見合わせたのを覚えています。

次に気づいたのは「クリーム」が「ドラフター」機能を持っていたことです。今では倉庫の片隅に追いやられている製図板に付属の、あの「ドラフター」です。任意の角度の線を描くために三角定規や勾配定規を同時に使わなくとも良い「ドラフター」機能をもっていたのです。

3次元CADと呼ばれるモデリング・ソフトも機械系、製造系の分野での普及が先でした。この3次元CADの分野でも、「建築的」とは何かとの議論がありました。

多くの場合、機械系、製造系の3次元CADでは、設計対象、製造対象を切り出し、削り出すように、マイナスの演算も多用して創るのと比較して、建築系の3次元CADでは、逆に、部材をアセンブリする=組み上げるように創っていくとの違いがあるからです。

BIMソフト「GLOOBE」に触れる前に、またトレーニングを進める際に、より良く建築的であるのを実現するために、多くの先駆者たちが格闘したことを思い浮かべてみませんか。

イメージ:GLOOBE 通り芯

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