BIMで建築が夢をみる

#23 建物は本来、3次元だからBIMソフトでは作図という意識はなくなりつつある

2017年、今年最後の報告です。福井コンピュータアーキテクト主催で、10月25日から2018年3月14日の第6回まで、東京を拠点として全国3会場テレビ会議での同時中継で開かれている「GLOOBE実務者養成定期講習」。12月20日の講習に臨席しました。

講習のテーマは、7階建てビジネスホテル「(仮称)J-BIM inn」を実際に測量図受取りの段階からモデル入力・図面一式作成までを6回連続(毎月1回)で行うもので、GLOOBE導入マニュアル(基本操作編・モデル入門編)をマスターした方向けの中上級者向けの内容です。
当日は、第3回目の講習で、

  1. 表示テンプレートの作成
  2. 梁の作成
  3. 床スラブの作成
  4. スペースのテンプレート作成
  5. 階段・手摺の作成
までを、10時から16時までの所要時間で行うという密度の濃いものでした。

BIMソフト「GLOOBE」によるモデル入力が2次元CADと決定的に異なるのは、入力時に従来の「2次元CAD」に匹敵する画面と「3次元モデル」入力の画面を同時に表示できることで、表示するだけでなく、二つの画面それぞれで入力ができることです。参加されていた建設会社の現場担当の方、設計事務所の方から、終了後にお話を聴きました。
※GLOOBEでは、「2次元CAD」に匹敵する画面を「2Dビュー」、「3次元モデル」入力の画面を「3Dビュー」と呼んでいます。

[BIMソフトでは図面を描いている感覚がなくなっていく]
『これまでの2次元CADでは、手描きの作図をコンピュータで代替えしているというものだったが、「GLOOBE」では、常に3次元を意識している』『建物は本来、3次元だから、当然なのだが、作図という意識はなくなりつつある』『3次元の建築部材を用いて、実際に建物を建てているような感覚…』
これらが参加者の共通認識として浮かび上がってきました。

講師のBIMプランニング代表の小林美砂子氏の講習も、それらBIMソフトの特性を踏まえたものです。例えば、梁の作成ひとつをとっても、梁を作成する機能から解説するのではなく、あくまでも「梁」という建築部材=3次元モデルを主体にして、それに対して梁の作成という機能がどのように作用するのかを解説するものです。

[個々の建物部材=3次元モデルに固有の機能が付随しているような感覚]
言葉を変えると、梁という建築部材には、それを作成するBIMソフトの梁作成の機能があらかじめ付随しているともいえます。そのため2次元CADでは、ただの線分の集まりだった梁を、高さ情報ももつ3次元のモデルとして意識しながら入力できますし、実際に建物を建てているような感覚で、BIMソフトを操作できるといえます。

一方で、このことは、当然のように、建築的な知識がない=図面も読めないとBIMソフトを習得しにくいとの課題も露わにします。2次元CADオペレータは存在できるが、BIMオペレータは存在しにくいといわれる所以です。

他方、もっとポジティブにも考えられます。手描きという「動作」をコンピュータに置き換えた2次元CADはすでに終わりつつあり、ようやく建築の専門家が使いうるツールとしてBIMソフトが登場したのだと。2018年も、継続して、これらのテーマを追跡していきますので、本欄での再会を楽しみにしています。

筆者撮影

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