導入事例

清水建設株式会社


清水建設株式会社


  • 生産技術本部 生産計画技術部 主査
    山内 光治 氏

  • 生産総合センター 情報化施工図グループ 主査
    須永 裕之 氏
所在地 東京都港区芝浦
店舗代表者 代表取締役社長 宮本 洋一
開設 1804年
資本金 743.65億円
従業員数 11,215名  (2011年4月)

清水建設が普及を推進「J-BIM施工図CAD」を現場へ

わが国を代表するスーパーゼネコン・清水建設は、数年前に「J-BIM施工図CAD」の導入を決め、施工部門への普及を進めています。その狙いについて、同社の山内氏、須永氏にお話を伺いました。

※2011年7月より「ARCHITREND Z 施工図エディション」から製品名を変更。

1日の講習で実案件のマンションを入力

「J-BIM施工図CAD」導入経緯について

山内氏

当社では約10年前から建築生産システムの改革活動を進めています。その取組みの1つに「図面に関する改革」があり、2007年度は3つのテーマが掲げられていました。1つは生産施工図等の推進。2つ目は図面教育の充実。そして3番目がこれらの実現に必要なツールの整備で、その一環として「J-BIM施工図CAD」(当時の「ARCHITREND Z 施工図エディション」)の検証が始まったのです。


J-BIM施工図CADの画面

なぜこの製品が選ばれたのですか

山内氏

当社ではツールも自社開発が多かったのですが、これは人材の確保や保守が課題となっていました。そこで市販品も良い物は積極的に使っていこうという流れが生まれ、2006年頃から各分野のCAD製品の検討が行われました。その中でRC系の施工図用CADとして「J-BIM施工図CAD」を評価したことがきっかけです。

当時、実際の製品評価はどのような形で?

須永氏

私の属する情報化施工図グループは現場の施工支援部隊的機能を持ち、施工図関連の支援も行っています。そこで私が評価を担当し、1日講習を受けてすぐに使ってみました。実案件の小規模なマンションを、それなりに入力できたのには驚きました。他の3次元CADでいろいろ苦労したので、1回の講習でここまでできるとは思わなかったのです。「J-BIM施工図CAD」は、躯体図に特化している分取っつきやすく、物足りない所はありましたが、施工図をより効率的に描ける感触がありました。幾つかの問題点を改善していけば、社内に広めていく価値は十分あると感じたのです。

問題点の改善はどのようにして?

須永氏

福井コンピュータの協力を仰ぎながら、2008年から約3年ほどかけて、まず作図機能の強化を図りました。「J-BIM施工図CAD」は簡単に3Dモデルを立ち上げ、平・立・断面図を自在に切りだせますが、そうやって切りだした図面の精度を高めていくとともに、それを当社の作図標準に合わせた図面にしていく必要がありました。

「施工図は日本だけ」だからこそ国産を

清水建設の作図標準とは?

山内氏

多くの建設会社の図面は自社流の書き方で作られています。多様な名称やレイヤ構造など各社ごとに異なり、現場では自社標準の図面が求められます。我々も最初は3Dモデルから切りだした図面に加筆修正していましたが、それではいつまでも現場に「J-BIM施工図CAD」を使ってもらえません。だからこれを現場の誰もが「良い」と実感できるようにする必要がありました。

機能改善は進んでいますか?

須永氏

まだ物足りない所もありますが、作図については当社標準への対応も実現しました。ベースのデータを入れ替えれば、他社も自社作図標準にカスタマイズできますよ。現在はさらに改善を進めながら、使ってもらう機会を広げています。ある支店では、「J-BIM施工図CAD」をほとんどの現場の躯体図作成に活用していると聞いています。

ここへ来て普及に拍車がかかりましたね

山内氏

BIMへ向かう近年の流れも影響しています。BIM的な概念は古くからありますが、注目が高まる中、当社でもあらためて議論が行われました。そして「BIM実現に必要なツール」として、意匠、構造、設備、施工、鉄骨等各分野の3Dツールを全て並べて検証したところ、施工図分野でそう呼べるのは「J-BIM施工図CAD」だけでした。このことも普及の後押しをしています。

今後の展開についてお聞かせください

須永氏

建設業界では施工図の外注化が進み、技術者の施工図離れが危惧されています。「J-BIM施工図CAD」を使い3Dモデルを手軽に扱えれば建築の納まりへの理解も深まり、アイデアも活発に生まれます。その意味でも、現状の利用者は支援スタッフが主ですが、今後は現場に使ってもらうことが重要。現場の反応も悪くないし、どんどん使ってもらい「3次元も難しくない」と印象づけたいです。

山内氏

BIMツールもいろいろ出ていますが、海外製品がほとんどです。しかし、施工図は日本にしか存在しない図面。だからこそ、日本の業界事情をちしつした日本のメーカーに頑張ってほしいですね。

※2011年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

導入製品

施工図作成システム
J-BIM 施工図CAD

ARCHITREND Zのテクノロジーをベースに、S/RC造の施工図作成を支援するシステム。躯体の部材データを基に、各図面の作成および積算・集計を自動で行います。施工部門での単独導入でも非常に効率よく作業が行えますが、GLOOBEとの併用なら、図面データや属性(部材リストや建具など)が連動するので、さらに効果的な作業が行えます。