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国土交通省だけでなく、民間のディベロッパーや自治体においてもBIM発注を研究する動きが出始めており、今後、発注者側からのBIM納品の要求が増えていくことが、確実なものとして予想できます。同時に、他社差別化を狙った設計者側からの「BIMを活かした技術提案」がいっそう増えていくことになるでしょう。今後は、まさにBIMがわが国建築業界の主流となることが確実になってきたのです。既に先進的な企業では、大手ゼネコンや大手設計事務所において、BIMの導入と活用を目指して早くから研究に取り組んできました。中にはBIMという用語が一般に紹介されるはるか以前から、3次元CAD等でBIM的な建築手法に取組んできたゼネコンや、いち早く社長が海外で購入したBIMソフトを使い、トップダウンによって全社でBIM活用を推進している大手設計事務所もあります。
さらには、大手企業ばかりではなく、中小設計事務所や施工会社も着々とBIM導入を進めています。2009年12月の日本建築学会のシンポジウムで報告された「建築CAD・BIM利用実態調査報告」によれば、同学会所属の設計事務所のうち38%がすでにBIMを導入・活用しており、同じく施工会社も48%が導入・活用を開始していました。両者の数値はいずれも前年に比べ14ポイントも増加しており、BIM普及がかつてないハイペースで進んでいることを示しています。
また、同じ報告の中でBIMの「効果があり活用している機能」も調査集計され、「デザイン検討」と「プレゼンテーション」がトップとなりました。設計事務所で約7割、施工会社でも約6割が、この「デザイン検討」と「プレゼンテーション」をBIMの最も効果的な機能としていたのです。
さて、ここまで、BIMデータ納品に関連して幾度か登場した「IFC」についてご紹介しておきましょう。IFCとは、BIMの3次元建築モデルデータを共通化するための国際規格で、建物の3次元形状に加え、建物に関わるさまざまな属性情報も伝達可能な共通フォーマットです。そのためBIMソフトや3次元CAD、そして各種の解析ソフトや積算ソフト等々、BIMに関連する各種のソフトウェアツールにおいて、国内外の主要ベンダーがこのIFCフォーマットの入出力対応に取組んでいます。IFCでは、2D・3D・トポロジーの建物形状に加えて、開口やゾーンなど建物要素間の関係や、壁/ドア/窓といった建物要素、機器類、また通り芯から工程やコスト、資産台帳等々のあらゆる情報を定義して持つことが可能なのです。もともとは1997年に最初のバージョンがリリースされましたが、その後順調に進化し続け、2011年秋~冬頃にはいよいよISO化も予定されています。

IFCが持つ属性情報の例(IAI日本 技術検討分科会資料より)

このIFCを定め、その普及を支援しているのが、
IAI(International Alliance for Interoperability)と呼ばれる国際組織です。IAIは、意匠、構造、設備等々、建築業界の多様な分野のソフトウェアのデータ共有化と相互運用を目指しており、IFCの開発と普及もその事業活動の一環です。現在世界に14の支部を展開しており、日本にもIAI日本を置いています。
このIAI日本には、設計事務所やゼネコン、サブコン、またCADベンダー、大学等の研究機関等、総計88団体が参加しており、もちろん私たち福井コンピュータもその一員です。そんなIAI日本では、IFCとBIMのさらなる普及を目指し多彩な活動を展開しています。代表的な研究としては、「意匠分科会」による仕上げ積算のためのIFC活用。また「構造分科会」による建築構造分野の共通フォーマット「ST-Bridge」の開発。「技術検討分科会」によるIFCの技術解説・セミナーの開催なども行っています。さらに近年では日本唯一のBIM仮想設計コンペ「Build Live Tokyo」の開催でも広く知られ、BIMの普及とともに、その役割はますます重みを増しています。

IAI日本組織図













