BIMで建築が夢をみる

#20 2018年は組織や個人、BIM=建築という産業にとって分岐点となるほど重要な正念場を迎える

「建築とコンピュータ」に関わるイベント「Archi Future 2017」が10月27日に開催されました。運営事務局によると、講演、セミナーともに、これまでの最速で満席となり、来場者も過去最高だったとのことです。福井コンピュータアーキテクトもブースを構え、最新の「GLOOBE2018」が快調に動いていました。

筆者も参加しましたが、とても全ての講演、セミナーは見られませんでした。そこでBIM応援団、編集者の視線で何を捉え、何を感じたのかを中心に報告します。

Archi Futureには、ここ何年間に渡り、継続的に参加していますが、以前と比較して、若手の方々の参加が多かったと感じています。一方で、各企業でBIM推進を先導していたベテランの方々は減ったのかなとも感じました。残念なのは、相変わらず女性が少ないこと。建築という産業自体が、まだまだ男性中心だとしても、ふと立ち止まって考えると、建築のユーザーの過半は女性ですから変なことです。

コラムの本題である「BIMで建築が夢をみる」に戻りましょう。そんな参加者構成の少しばかりの変化と共に、そうなのかと納得できる感慨もありました。

最近の執筆原稿では、「BIMは離陸して巡航高度に達した。シートベルトを外すサインは出ていないが….」と書いています。2次元CADの出現から普及期にも立ち会ったものとして、当時よりも、速度を上げてBIMの認知度は高まっており、普及の端緒についたと考えてよいでしょう。そして、そんな時期だからこそ、BIM=3次元の運用をギブアップして、2次元(図面)に戻ってしまうとの大きな危険性も秘めています。どんなにしんどくとも、何が何でも戻っては駄目です。

別の面からも論じてみます。BIMの走り疲れのような様相を呈しているのではないか。既存の業務形態でよいと考える反対勢力もある中、出る杭として、必死にBIM運用に向かって疾走したからこそなのですが…だから、踊り場というか、少しばかりの低迷期に入っているのではないかと感じました。

でも、疲れたら、広場でも見つけて休憩すればよいのです。そして、こんな風に考えてみませんか。少しばかり低迷期であるならば、チャンスとして捉え、次へのジャンプ、疾走に備えて、じっくりと身を屈めて、腰だめしておこうと。

この原稿を読者各位が読まれる頃には、来年のことを語っても、鬼は笑わないほど、押し詰まっているはず。腰だめして迎える来年こそ、それぞれの組織や個人、BIM=建築という産業にとって分岐点となるほど重要な正念場を迎えるはずだからです

パネルとして登壇されたある方の語られた言葉が印象的でした。「4年前のArchi Futureには有給休暇をとって個人で参加しました。それが今回は、BIMの担当として沢山の方々にプレゼンしています」…社名を挙げれば、誰もが知っている著名な企業でも、そんなシートベルトは外せない状況です。

建築という産業と、それをとりまく社会全般に起こっている変化は、必然的なものです。ほんの少しだけ、意図的に休憩でもとって、2018年のスタートに備えませんか。

筆者撮影

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