BIMで建築が夢をみる

#16 「発注者がBIMを活用する時代」が指し示す方向性

2017年9月14日に大阪、9月28日に東京で、福井コンピュータアーキテクト主催の「Japan-BIM事例フォーラム」が開催されました。テレビ会議室システムで名古屋、福岡、沖縄にもオンライン中継されました。

今回の主たるテーマは、「発注者がBIMを活用する時代」です。

設計・施工という「業としての建築」内部で、BIMソフトなどによってデジタル化された情報は、竣工後、日々、稼働する建物のFM(施設管理)業務にも利活用できるのは明らかとなりました。長期間に渡って実施されるFM(施設管理)業務のデジタル化によるメリットを受けるのは施主・建築主・発注者です。そのことに多くの関係者が注目し始めています。

最新情報として、「Japan-BIM事例フォーラム」で、何が語られたのか、どのような方向性が示されたのかを、スターツコーポレーション株式会社と畝啓建築設計事務所株式会社の二つの事例を通して報告します。

スターツコーポレーション株式会社は、不動産売買・賃貸情報ポータルの「ピタットハウス」や「安全・安心の免震技術」などのテレビ・コマーシャルでも知られるスターツグループの持株会社として、グループ各社の経営管理、並びにそれに付帯する業務を行っている会社です。そのスターツコーポレーション株式会社が2月27日の日本経済新聞朝刊に掲載したのが「建物はすべてデータになる、BIM-FM PLATFORM」という広告です。

広告:BIM-FM PLATFORM by STARTS

BIMは、狭義には3次元のモデリングソフトとしても定義できますが、最も重要な要素は、属性情報とも呼称されるBIM=I(Information)を3次元の建物モデルに紐付けできることです。スターツコーポレーション株式会社では、それらのI(Information)を徹底的に活用してFM(施設管理)業務をデジタル化する戦略を構築しました。

具体的には
『「BIM-FM PLATFORM」とは、「BIM」の3次元モデルとデータベースを、建物維持管理やファシリティマネジメント「FM」の分野まで拡張し、建物のライフサイクル全般をシミュレーションてできるシステム』 と明確に定義しています。

スターツグループは、数多くの自社物件も所有する「大家」として、これまでBIMソフト「GLOOBE」と建物の長期修繕計画作成ソフト「FM-Refine」(株式会社FMシステム製)によるBIM-FM連携を用いてFM(施設管理)業務を行い、成果を上げていました。

今回、建築や不動産の専門メディアではなく、一般の経済誌に広告を掲載していたのは、明らかに、BIM-FM連携の恩恵を受ける施主・建築主・発注者に対してメッセージを送ったものです。

更に重要なのは、スターツコーポレーション株式会社が『「BIM-FM PLATFORM」を利用して、ビルオーナー様や設計事務所向けにコンサルティングサービスを始めました』と「BIM-FM PLATFORM」自体を新たなビジネス・モデルとして提供すると宣言したことです。

自社目的で運用されていたBIM-FM連携は、それ自体が新しいビジネスとして成長し始めました。すでに離陸して巡航高度に達したBIMは、新たな目的地も見つけて、発展を続けています。

「GLOOBE」と「FM-Refine」によるBIM-FM連携の概略図

※参考
156「スターツコーポのBIM戦略・1」[2017年3月14日]
157「スターツコーポのBIM戦略・2」[2017年3月16日]
158「スターツコーポのBIM戦略・3」[2017年3月21日]

コラム更新お知らせメールのお申込み

コラムが更新された際にメールでお知らせいたします。
ご希望の方は下記フォームよりお申込みください。