BIMで建築が夢をみる

#14 「建てない建設」に向けてもアンテナを張る

建築という仕事の廻りを、ジャーナルとして、BIM応援団としてウロウロしています。ずっと建築には憧れをもっています。建築って、世界の森羅万象を扱うのだ。それなのに、理系に分類されるのはおかしいのではないかな。

積算ポケット手帳の編集長時代に、ある工務店の棟梁にアドバイスをいただいていました。ある時、住宅の建替え現場を訪れると、「樋口さん。この家は、夫婦の寝室が別々なんだよ。」と聞かされました。「俺は中学しかでてないけど、棟梁ってのは、ある時は心理学者でもある必要があるんだ」と。世界の森羅万象を扱うって、こういうことです。

そんな森羅万象を扱うのですから、建築に携わる方は、常に世の中の動向に敏感であるべきでしょう。最近、アンテナに引っかかってきた情報を紐解きましょう。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを待つまでもなく、建設需要は減少すると、まことしやかにいわれています。果たしてそうなのかと思っていた矢先に、みずほ総合研究所のレポートを読みました。それによると、
「下記の図表は建設投資のビンテージ(年齢)の推移を示すが、公共建設部門を中心に設備の老朽化が進んでいることから、建設投資の更新需要は潜在的に大きいと見られる。」
とあります。

以前、積水ハウスを取材した際、インタビューが終わった雑談の中で、「とにかく住宅を建てすぎたかも。」との発言あり。そして、「住宅を建てない住宅メーカーというのも…..」あるかもしれない。そうです。膨大な更新需要があるとも踏んでもいるわけです。もっと風呂敷を拡げ、膨大な数の空き家の存在を考えると、それこそ、「建てない建設業」「建設しない建設業」も成立するかもしれません。

中堅の設計事務所でのオフレコ。ある公共施設から、改修設計+工事の見積もりを要請されたとか。せっかくだからBIMでやると仮定して積算したそうです。結局、価格が折り合わなかったのですが、この経験を次に結びつける試みを始めています。

「某県にある築35年を経過した建物を洗い出し、仮にBIMで改修設計すると」との概算シミュレーションをしたそうです。「建設投資の更新需要は潜在的に大きいと見られる」とのレポートは正しかったようで、ここでもオフレコで「設計しない設計事務所もありかな」と話していました。

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