BIMで建築が夢をみる

#13 Lean Constructionって何?からBIMを考えてみる

Lean Constructionという言葉を聞いたことがありますか? 検索すれば、すぐにでも出てきますが、それだけでは「ふ~ん」で終わってしまいますので、BIMとの関連で、考えを巡らせてみましょう。

リーン(Lean)は「贅肉のない」「引き締まった」などの意味。贅肉のない建設?? 確かに、どんな産業でも、無駄がなく、効率的で、引き締まった業容となるのは理想です。

このLean Constructionは、主に米国などで喧伝されている考え方で、製造業の代表格である自動車産業、中でもトヨタの生産方式を建設にも応用できないかとするものです。

建設の生産プロセスの無駄を排除するべく1980年代にマサチューセッツ工科大学(MIT)が日本の自動車産業の(主にトヨタの)生産方式を研究、その成果を体系化、一般化した生産管理手法=リーン生産方式(Lean Manufacturing:Lean Product System:LPS)に依拠しています。

これまでも繰り返し論考してきましたが、製造業が主に大量生産を前提とするのに、建設では、対象建物の多くは一品生産です。製造業の生産現場(工場)がオーディナリー(常設的)であるのに対して、一品生産の建築物を前提とする建設業の生産現場(現場作業所)はテンポラリー(一時的)で竣工後は影も形もなくなります。また、規模で要員も変動するし、サブコンなどの協力組織も流動します。それなのに、大量生産の製造業の有り様を、果たして建設に応用できるのか。そんな疑問は、当然なのですが、さすがは米国らしく、実利的に良いものは積極的に取り入れようということです。

米国人が注目したのは、トヨタの「カイゼン=改善」です。それを実現するため、建築主(オーナー)が設計事務所、ゼネコン、サブコンを糾合し、BIMによるIFoA(Integrated Form of Agreement)契約締結します。そして、彼らは「大部屋」というスペースに結集し、設計(企画・基本、実施)・施工の区分けもないように、混在して総掛かりでBIMモデルを協働して構築していきます。

Lean Constructionを強く意識したのかは聴きませんでしたが、これってLeanかもと考えたのが竹中工務店でのBIM運用事例です。大阪市西区西本町のビル建替え工事の現場を訪問した際のことです。建築主(オーナー)はいませんでしたが、設計部=設計事務所、ゼネコン=竹中工務店、サブコン=関連工事会社が一同に現場事務所(一種の大部屋)に結集し、BIMの3次元モデルによる検証を行っていたのです。まさに、混在して総掛かりでBIMモデルを協働して構築していました。

その際に、これこそ「キモ」だと思えたのが施工図担当者をBIMマネージャーとし、BIMの3次元モデルの統合役にしていたことです。施工図担当者は、設計と施工の間に立って、両者を繋ぐ役割を果たしています。設計施工案件という背景はありますが、この施工図担当者をインターフェイス+接着剤として、設計(企画・基本、実施)・施工の区分けもないようにBIM運用していました。

この現場をLeanと明示するのかは別にしても、明らかとなったのは、Lean Constructionとは業務プロセス自体の革新だということです。

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