BIMで建築が夢をみる

#10 40年余先を想像して、そこから今を振り返ってみる

このコラムでは、これまで「建築とコンピュータ」の黎明期の有り様と数多くの先駆者たちを紹介することから始めました。といっても、昔を懐かしがり、思い出話をしたかったのではありません。もっと前向きに考える方法を提案するためです。

昨今、建築の情報化、BIMの普及は、離陸して巡航高度に達したと考えています。そんな状況から、ここ40年余の、「建築とコンピュータ」の歩みを振り返ってみるためです。振り返るだけでは、懐メロと同じですから、今、起こっていることとの関連から意識的に振り返ってみるわけです。すると、今、起こっていることに、大いなる必然性があるのも理解できます。

それが何となく、こんな感じかなとわかったら、次には、今から40年余の先を想像してみます。そして、40年余先から、今度は、今を振り返ってみるようにしてみます。すると、私達の周りで起こっているIoT(Internet of Things)、Big Data、AI(Artificial Intelligence)など急速な変化の意味と必然を、これまでと少しばかり違った視点から見渡せます。それを「過去を懐かしむ」方法に代えて、「未来から追憶する」としました。

中世の宗教者であり、思想家の親鸞に「往く道と還る道」という言葉があります。独断も交えて解釈すると、物事の本質、現在の有り様は、ひたすら息せききって走り続けるだけではわからず、行った先から還る道を戻るかのようにすることでわかるのではないかという感じです。「往く道」があれば、「還る道」もあるわけです。

違った観点からも言い換えてみましょう。そうであるならば、より良く未来を想像できるものが、優れて今を追憶できるともいえます。前回の講演では「BIMで建築が夢をみる」としましたが、そこには、同様の思いを込めました。

「最も深く夢を見られる者だけが、最も現実とよく闘える」。
BIMへの思いを語れば、夢みたいなこといってないで、図面でも早く仕上げたら…という反対勢力の圧力もまだまだ強いでしょう。そんな中でも、BIMへのチャレンジで日々、闘っている方々へのエールです。

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