BIMで建築が夢をみる

#07 コンピュータだからできること・コンピュータでないとできないこと

BIMの普及期を迎えつつある現在においても、留め置くとよい「コンピュータだからできること」「コンピュータでないとできないこと」について再考してみます。

図は、ポーラ化粧品袋井工場の計画時に日建設計で作成したCG(一部)です。200Kmの速度で走る新幹線から進行方向の斜め前方に工場を見つけます。車窓の中で工場を追いかけるように視線を移動(新幹線が移動)し、工場が90度で正対するまでを、1秒ごとのコマ送りで透視図表現したものです。完成後の工場が新幹線からどのように見えるのかをクライアントに見せたい。そんな設計者の意図を反映して制作されました。

現在のBIMなど3次元モデリングとCG手法を使えば、いとも簡単に短時間で、それほど専門的な知識も必要とせず、できることでしょう。当時は、至難の技だったのを思い出してほしいのです。

これらの事例に触れる時、考えてしまうのが、「コンピュータだからできること」「コンピュータでないとできないこと」の意味です。今では、あまりにも簡単になってしまった3次元モデリングやCG制作ですが、背後では「コンピュータだからできる」「コンピュータでないとできない」高度な情報処理を行っています。

重要なのは、「コンピュータだからできること」「コンピュータでないとできないこと」を意識することで、次の課題として、「いかにして建築的な表現」を行い、「建築の質を高める」のかを自問することです。

特に、最近では、コンピュテーショナル・デザインが喧伝され、あたかも、コンピュータを用いて、自動設計できるかのような誤解も広がっています。コンピュテーショナル・デザインについては、時宜をみて報告しますが、ここで再度、留め置きたいのは、「できること」と「使えること」=どのように実践するかには、大きな隔たりがあることです。

日刊建設工業新聞の連載「BIMの課題と可能性」でも、何度か、日建設計を取材しています。直近でも、当時のコンピュータ部の歴史と伝統を引き継ぎ、設計者をデジタル運用面で支えるDDL+3DLを紹介しました。参考にしてください。
※参照:BIMの課題と可能性8~10「組織事務所のBIM運用」
※参照:BIMの課題と可能性 160~163「日建設計の内部設計支援組織」
出典:「建築とコンピュータ」第2号P29

コラム更新お知らせメールのお申込み

コラムが更新された際にメールでお知らせいたします。
ご希望の方は下記フォームよりお申込みください。