BIMで建築が夢をみる

#04 アニメや映画などの映像表現と建築との高い親和性について

#02「ユタ大学に集結したキラ星の如くの才能たちが今の礎を築いた」でディズニーアニメの始祖にもなったピクサー・アニメーション・スタジオ(Pixar Animation Studios)について触れましたが、これらのケースにあるように、アニメーションや映画などの映像表現と建築の表現は、高い親和性を持ちながら、並行して進化してきた側面があります。

CGアーティストのロバート・エイブル(Robert Able)を紹介します。年配の方ならば知っていると思いますが、60年代後半にアパレル企業のレナウンが発表し、一世を風靡した「レナウン娘」と「イエイエ」というコマーシャルがあります。このコマーシャル製作にも参加したのがロバート・エイブルでした。


ロバート・エイブル

「建築とコンピュータ」において、ロバート・エイブルの存在を知ったのは、「シカゴ」「スタジアム」と銘打ったCG作品を目にした時でした。精度も粗く、ワイヤーフレーム表現であるなど、昨今の関連システムによるCGと比較すると、なんだこれはと思う向きもあるかもしれません。それでも80年代初頭に、初めて、この作品を目にした時には、驚き、感動したものでした。

何よりも感動したのは、bird's-eyeと呼ばれる鳥瞰的な視点の設定でした。それは具体的には、視点移動の軌跡と加速度の微妙な調整でした。建築表現では、工学とアートをバランス良く融合させる必要があるでしょう。単に3次元モデルを構築するのではなく、それをいかにしてアートとして成立させるのか。ワイヤーフレーム表現でも、ここまでできるという見本であり、ワイヤーフレーム表現の美しささえも、再発見できる、優れた映像作品です。

ネット上に『The World Of Robert Abel ロバート・エイブルの世界 LaserDisc(Side 1)』がアップされています。後半部分に、この二つの作品の動画があるので、見てみるとよいでしょう。

こんな余談もあります。最新のゲームやSF映画にも、未来都市的な建築表現が溢れています。著作権の関係で、その場面を紹介できないのですが、かつて人気を博した大友克洋氏の劇画「AKIRA」の一場面です。無残に破壊された建物を見た構造設計者は「フープ筋が足りない」とつぶやいたとか。

少し前に上映された「シン・ゴジラ」ではどうだったのでしょうか。そんな視点でゲームやSF映画を見てみるのも面白いかもしれません。米国のCGスタジオには建築出身のアーティストも多いと聞きます。新たな職能として考えてもよいのかもしれません。

コラム更新お知らせメールのお申込み

コラムが更新された際にメールでお知らせいたします。
ご希望の方は下記フォームよりお申込みください。