BIMで建築が夢をみる

#03 建築とコンピュータの原点でもあるMITのメディアラボ

建築のデジタル化、より直接的に「建築とコンピュータ」の原点ともなったのがMIT(Massachusetts Institute of Technology)のメディアラボ(Media Lab)だと考えています。ネットで検索すると、現在進行形の開発事例なども目にすることができます。それらの多くは、果たして何の役に立つのか、すぐにはわからないようなものもあるのですが、それもこちらの頭が硬過ぎるからなのでしょう。

ニコラス・ネグロポンテ(Nicholas Negroponte)は、MITのメディアラボ(Media Lab)の創設者です。すでに退職していますが、ここ3年ほどの間に、来日時、二回の講演を聞く機会を得ました。「建築とコンピュータ」と親和するのもわかるように、MITの大学院の建築科ではCADを研究し、1966年には建築学の修士号を取得、同年MITの教員となっています。そして、1967年にMITに設立したのが、メディアラボ(Media Lab)の前身であるArchitecture Machine Groupです。

ニコラス・ネグロポンテ「Differences」(筆者撮影)
「講演全文掲載(日本語)」
https://www.recruit-lifestyle.co.jp/lifeshift/ls14182_20151117

2015年10月14日に六本木ヒルズで開催された「Innovative City Forum」での基調講演「Differences」。Differences=差異とはいかにも彼らしいタイトルですが、差異を認め、差異が発生する処にこそ、変革への可能性があると論じました。
衝撃的だったのは、「東京の全ての自動車を全自動運転車(2020年には国内でも実現??)にする日付を宣言すべし。駐車場も激減するし、都市も変わる」との発言でした。設計施工時のBIMデータを建った後の稼働する建物に援用し、Internet of Things:Buildingsで建物も自動車(乗っている人)と通信を始めます。駐車場の空きも最適化できますから、その削減分は都市計画までに直接、影響するわけです。

2017年3月27日に一橋会館で開催されたインフォマティクスの創立35周年記念講演会。ネグロポンテは、「misfits(はみ出し者)」というテーマで、MITを支え続けた異能者を紹介しました。
1枚の写真に目が止まりました。男性が画面上の四角形を指で押しています。スマホでは当然となった圧力センサーを、四半世紀以上前に構想する異能者がいたわけです。

「思考(思い描いたこと)は実現する」といいますが、そのためには、発した瞬間に問題の過半を解決するような、有効な射程を持つ優れた問も求められます。

優れた「問」が、それが発せられた瞬間に、優れた「回答」を潜在的に用意しているのだとしても、まずは、何故、画面を指で押しているのかと訝るのではなく、その「問」自体を発する構想力が求められます。

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