BIMで建築が夢をみる

#02 ユタ大学に集結したキラ星の如くの才能たちが今の礎を築いた

サザーランドが1968年から1974年まで教鞭をとったユタ大学には、名前を聴けば、はっとするほどの才能たちが集まっていました。

SmalltalkとDynabookを構想して開発、パソコンの父といわれるアラン・ケイ(Alan Kay)、CG手法のひとつである物体表面の光と色の変化をシミュレートするグーローシェーディング(Gouraud shading)技法を考案したアンリ・グーロー(Henri Gouraud)、画像処理では欠かせないピクセル単位でギザギザを目立たなくするアンチエイリアス(anti-aliasing)技法を開発したフランク・クロウ(Franklin Crow)そしてピクサー・アニメーション・スタジオ(Pixar Animation Studios)の創設者の一人で、レンダリングソフトウェア(Rendering software)のRenderManを開発し、現在、Walt Disney Feature Animationの社長を務めているエドウィン・キャットマル(Edwin Catmull)などです。

また、エバンス・アンド・サザーランド(Evans and Sutherland)社には、アドビシステムズ(Adobe Systems)を創設したジョン・ワーノック(John Warnock)、初期のブラウザを開発したネットスケープコミュニケーションズ(Netscape Communications)を創設し、後には、シリコングラフィックス(Silicon Graphics)も設立したジム・クラーク(James Clark)も勤務していました。

ピクサー・アニメーション・スタジオ(Pixar Animation Studios)を一躍、有名にした短編CG。
1980年代初頭、SIGGRAPHでの上映時に観て驚かされた。
親子のスタンドが仲睦まじく、会話しているかのように動いている。
原理的な画像処理技術だけでなく、これらの優れた表現力がやがてディズニーアニメで花開く。
出典:「The History of Pixar Animation Studios 6/6-Animation Lookback

これでもかという程のキラ星の如く豪華な顔ぶれです。同時に、今、私たちが何の気なしに使っているハードウェア、ソフトウェアの過半が、当初、彼らの中で構想されたのには改めて驚かされます。

彼らの業績を俯瞰すると、建築のデジタル化にも、大きく関与しているのがわかるはずです。同時に、民主主義を押し付けるべく、時には他国の主権を無視して爆撃したり、なんちゃって大統領が出現するなど、太平洋を挟んだ極東の島国にいるとわからないのですが、悔しくなるほどに、米国からは、それら原理的な構想や技術が降ってきます。

手描き図面はなくなったのに、いまだに建築士製図試験に製図板を持ち込むというブラックジョークをそのままにしていると、建築のデジタル化でも、置いてきぼりを食うでしょう。それぞれの個人、組織共に、考え時です。

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